FROM YESTERDAY  |  Crimosato

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FROM YESTERDAY

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伸ばした左手が
ぶらぶら揺れた

探していた右手は
でもそこには居なかった

 


もうそれはずっとずっと
遠い昔のように思えたけれど
何度数えてみたって
まだ1年も経たないのだった

あの日の違和感と幸福と不安を
わたしはもうすっかり忘れてしまった

覚えているのは
べとべとしたカレー屋の店内、
それから苛立ちを隠さない
彼の強い口調。

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突き放されるような
不安を加速させられるような
そういう衝撃に
毎回ひとりで立ち向かわなければいけない

味方を名乗る彼は
でもいつもわたしをひどく傷付ける

 










             順序を間違える

             いつもわたしは
              大切な順序を
             正しく守れない

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喫煙席と禁煙席に
たいした隔たりもなく
それはあまり意味を持たない

と、笑ったことを
思い出した

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地下に潜ってゆくその感覚に
そわそわしながら駆け下りた

はやく会いたくて走るなんて
ばかばかしいと思いながら

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