UPPONの 30分間 世界一周  |  UkonKurisawa

UPPONの
30分間
世界一周

tacto rustico

 
 
 
 
 
 

Fairy tale for
a globetrotter

photo|UkonKurisawa

 
 
 
 
 
 
 

all right reserved ©tacto rustico

UPPONの
30分間
世界一周

 

Fairy tale for a globetrotter

このBCCKは、鎌倉発の地ミュージックを標榜する、鎌倉拠点のふたつのインディーズレーベル、tacto rustico とSomething Records の共同制作による初のアルバム『UPPONの30分間世界一周』のために作成されました。
アルバムの各トラックをよりお楽しみいただくための、ちょっとした余興のようなものです。このウエブブックとともに、アルバムをお楽しみいただければ幸いです。もちろん、サウンドだけでも十二分に音楽を楽しんでいただける内容になっていると自負しています。
皆様なりの、自由な楽しみ方をみつけていただけたら、うれしい限りです。

UPPON & the Kamakura Deluxe
"a Globetrotter"

1) Eat Shit Blues [USA]
2) Rumors [Jamaica]
3) Ama o Proxima [Brazil]
4) What can I do? [UK]
5) Kebab Blues [Turkey]
6) Ongeza Ngupu Twende [Kenya]
7) PraThet Nii [Thailand]

 

鎌倉に人気店を構えるUPPON。
実はSomething Recordsというインディーズ・レーベルを主宰するミュージシャンである。

2011年あの大震災後のある日、「世界からいろいろと手を差し伸べてくれる国がある中、各地にきっと何かしたくてウズウズしているミュージシャンたちもいるはず」と思い立ち、音楽で日本を救済すべく、とりあえず飛行機に乗り込んだのだった。が、しかし、特にアテもないので、とりあえず世界各地の音楽が生活の中に息づく街に赴くことに。

photo|©Something Records

 

UPPONの
30分間
世界一周

まずは、大好きなブルースやカントリーをはじめとしたオールドタイムなアメリカン・ルーツ・ミュージックが今なお息づく場所、アメリカ南東部はノースカロライナ州のラリーへ。この一帯はピードモント台地と呼ばれ、古くは19世紀から脈々と受け継がれて来たピードモント・ブルースのミュージシャンが多く居住していることで知られる地域だ。ここラリーには、鎌倉でも活躍していたJazzyjack Junkmanの一家が住んでいる。
大歓迎されたUPPON、じゃーさっそく1曲、即興でブルースやろうということに。こんな時、ポケットに忍ばせたブルースハープが役に立つ。
万年Rude BoyのJJJ、案の定とても子供には聞かせられないNGワードだらけの歌詞で歌いだす。「これでほんとに日本が救済できるのか?」という想いを胸にしまい込み、UPPONは必死で歌についていく。JJJの仲間たち、パーカッションのMo、スライドギターのcittaが曲を盛り上げる。そうして熱いセッションは夜更けまで続いたのだった。

UPPONの
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世界一周

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UPPONの
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世界一周

4

くそ喰らえブルース


ずうっと本を読んでる
小1時間黙って座ってる
その中に入り込めないまま
そのことをずうと考えてる
集中したことなんてないさ
そう、人生がおれを飾るのさ
自業自得だぜ


おれは年寄り、歳とりすぎ
おれは年老いた貧しい少年、そう、おいぼれ
まぁ、勝手気ままに過ごしちゃいるが
おいぼれた最低野郎さ

Eat Shit Blues


I'm sittin' at my books.           
Sittin' silent for an hour          
I'm leaving out of it            
thinking 'bout it              
Never focused on             
Yeh my life flatters me           
tough shit…               


I'm Old man. I'm too old now        
I'm Old Po'boy Ya I'm Old man       
though I'm steppi' in my own shit       
I'm old man, jerk             

 

5

the shit hits the fan, ya know        
I shit you not, son. yeh           
You never know the shit flies        
No shit, I don't give a shit          
I just wanna load shit on you        
Ha ha

I'm Old man. I'm too old now
I'm Old Po'boy Ya I'm Old man
though I'm steppi' in my own shit
I'm old man, jerk

Don't run baby, Ooh Shit on you      
Don't run baby, you're sugar and spice  
Don't make me lough. well Shit on you   
You're full of shit anyway.         
I know I'm not worth a shit.  
Oh that's me yeh. 

UPPONの
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めんどうなことになる、な!?
ほんとのことだぞ、小僧。
大騒ぎになるなんて思わねぇだろ?
ありえねぇ、ぜんぜん気にしないね
おまえにそれを言いたかっただけだ、
はは

おれは年寄り、歳とりすぎ
おれは年老いた貧しい少年、そう、おいぼれ
まぁ、勝手気ままに過ごしちゃいるが
おいぼれた最低野郎さ

逃げるなよ、ねぇちゃん。へ、くそくらえ。
逃げるなよ、ねぇちゃん。おめぇ、優しいなぁ
笑わせちゃいけねぇよ。ま、くそでもくらえ。
おまえはとにかくうそばかりだ。
おれだって一文の値打ちもねぇのは知ってるさ
それがおれだからな。

とりあえず何とか最初の1曲を手にしたUPPON、次なる目的地を決めかねていた。
そこで、翌朝JJJに助言を求めることに。
「そうか、それなら最高の男がいるよ。ジャマイカのキングストンに行け!」
キングストンといえば、レゲエ発祥の地。
勇み立ったUPPON、さっそくジャマイカに飛ぶ。



と、着いたはいいが、よくよく考えてみれば治安の悪さでは世界でも一、二を争うこの街、キングストン。地理もよく分からないのに、どうやったらJJJの知り合いに巡り会えるのだろう? そうだ、とにかくレコード店にでも行ってみよう。そう思いついて、歩き出した途端、数人の人相の悪い連中に取り囲まれる。

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UPPONの
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世界一周

「あ、あの~、ぼ、ぼく、じ、地震、日本、き、き、救済、たすけて~!!」
とりあえず、何やら単語を並べて懇願するUPPON。
すると、そもそも17世紀のジャマイカ地震がきっかけでつくられた街、キングストンのギャングも同情を示し出す。泣き落とし作戦成功だ。
「で、何しに来たんだ?」
「音楽で日本を救済しようと…」
「それなら最高の男がいるぞ。Wanda Barに行ってCaptain Zingyに会え!」
「えっ、その人だ。僕が探してたの」
世の中が甘いのか、UPPONの悪運が強いのか…。
一発で目指す情報に出会うなんて、まるで作り話のよう。とにかく、この場は早く離れた方が良さそうだ。

教えられた目抜き通りを小走りに目指す。あった!Wanda Barだ。店内を見渡すまでもなく、ヒゲもじゃで体格のいいキャプテン・ズィンギはすぐに分かった。

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「お前か、JJJの友達は。電話があったので待っていたぞ」。彼の経営するWanda Barは今にも崩れ落ちそうな木造の掘っ立て小屋。
「このお店、Wanda Barっていうんですね。僕の住む街にもWanderKitchenという謎の集団があって、いつも楽しそうなので僕も入れてほしいって言ってるんですけど、何だか誰も真に受けてくれなくて…」
トントン拍子の展開に、いつになく饒舌なUPPON。「何の話だ!? Wandaはオレの別れた女房の名前なんだ…」「あっ、そ、そうだったんですか…。余計なこと言っちゃったな。まだ忘れられずに、別れた奥さんの名前を…」「そうじゃねぇ。昨日別れたばかりさ」「…。昨日、出て行っちゃったんですね」「いや、おれが追い出されたんだ…」。一同「…」。
いかついズィンギの眼からひと筋の涙。
そこで突然始まったレゲエのセッション。日本の原発問題に心を痛める彼が用意してくれていた歌詞を、みんなでその場で歌に仕立てる。「これこそが、僕の求めていたことだ!」UPPONの眼から涙がひと滴。

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