写真集4  |  suzukisuzuki

写真集4

1

 散歩が好きでして、大体が散歩中に撮影したものです。見て頂けたら幸いです。

 大抵の人は、役に立たないものをゴミと呼んでいる事かと思います。そして、そんなゴミがここにもありました。ゴミ自らの動作は皆無。明くる日も、そしてまた明くる日も、このゴミはそこにあり、あのゴミはあそこにあるのでしょう。ゴミであるが故に魅力はなく、したがって再度この場所を訪れる気は毛頭無い。今後思い出す事もなければその必要もない。
 こういった感情を通過すると、にわかに「このゴミ、可哀想だ」と憂いた思いがジワジワ心に湧いてくるもので「拾おうかな」という素晴らしき活動がひらめきます。結果、ギリギリで拾わない方向で落ち着くのです。

2

3

 柵と磨りガラスの遮断効果が相俟って、室内に対する関心の高まりは否めない。しかし、それは単なるまやかしであり、カーテンの丈が気になる事にも同様の事が言える。したがって、今となっては外のブロックの囲み具合に夢中。

4

 目に感情が宿っていないものの、口角を上げる事でぎりぎり笑顔へ到達する。しかし、笑顔の理由までは頭を振り絞っても用意する事ができない。悪しき何者かに操られ、何か事件を巻き起こす気配が辺りを充満させる。最早、シッポの長さにでさえ違和感を感じざるを得ない。恐怖心を誘発する怪しい曲線。目を背けたくなってくる。
 唯一、三本下がる髭には安心できる。この髭を支えとして、帰ったら早めに寝るとしよう。

5

 遠目では良く目にしてきたが、実態に迫るのは今回が初めてとなる。熟れた女性を中心に支持されるアイテムだけあって、魔性のオーラを存分に発している。ハマったら抜け出せなくなりそうな中毒性を薄暗い内部が醸し出す。ハンドル界のアンダーグランドはここにあるのかもしれない。
 その内部のアングルだが、スカートの中を盗撮しているような緊張感を与える。ハンドルとブレーキが人間の両脚を連想させるからであろう。やってはいけない事をしている気にさせる。なんと、この中に手を入れ、運転をする行為が合法であるのだから驚かされる。法の隙間が垣間見えた瞬間。

6

 駐車禁止をカットしたら、特に何も起きませんでした。カットアップの難しさを知る。

7

 今夜は抱かれないだろう。そんな日は箪笥からこの服が抜き取られる。その流れは脱衣時の利便性を考えれば容易く想像できる。しかし、むしろこの服は抱かれる日のマストアイテムなのではないかという説が巷には存在するのだった。
 ある者はこう口火を切った。
「セミの脱皮のようだ」と。続けて
「セミにとって脱皮とは、生きる上で大切なプロセスであり、それなしでセミの未来はない。」
 今回のこのセミエピソードでは、脱皮の重要性について説かれているが、同様の事が脱皮の如きこの服にもいえる、との事。それは要するに
「脱衣の肯定」
であり、脱ぐ事こそ神秘なのではなかろうか。この服にはそういった意味が内包されている。
 この様な考えの元、脱がされた姿はセミヌードであり、そこから先はセミではない貴方の手にかかっている。

8

 おそらくスコップなのだろう。スコップとしか考えられない。絶対スコップです。
 確認をしたら「やっぱスコップだった」という具合になるのだろう。だからそんな野暮な真似はしない方が良い。
 結局、未確認のまま家に帰るが「果たしてあれは本当にスコップだったのか」なんて思う事は当然無かった。先程の葛藤に意味はあったのだろうか。あの時間は一体なんだったのか。むなしさは確実に胸の奥深くへと根を下ろした。スコップで掘り起こせと言わんばかりに。

写真集4
作成日:2011 年 03 月 19 日

  • 著者:suzukisuzuki
発行:suzukisuzuki

©suzukisuzuki 2011 Printed in Japan

bcck: http://bccks.jp/bcck/38043
user: http://bccks.jp/dept/suzukisuzuki
format:DVT_08 #307