run  |  ebizu

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photo|ebizu

幼いころは、親の都合で転校ばかりしていたので、
同じ場所に長く留まることは少なかった。

だから、
「出身はどこですか?」
ときかれると、

そのたびに答えに困ってしまう。


「どこもありません。」
こんなにも的を得た、
しかし、奇妙な答えはない。


故郷があればいいなぁ、といつも思う。

photo|ebizu

各地を転々としたけれど、
思い出に残っている土地とそうでない土地があって、

思い出に残っているからといって、
長い期間を過ごした場所!
だったり
仲の良い友達がいる!

という、明確な理由があるところばかりじゃなくて、
「何かのきっかけでたまにぶり返す記憶」
そんな思い出の土地もある。

取るに足らないくだらない出来事、
そんな記憶が何回も引き出されていく内に、
いつしか深く刻まれて、
特別な思い出となっていく。
そういう類のものだ。

この春、10年ぶりにある街を訪れた。
ふと、懐かしさに身を委ねたくなったのだ。


広々としていたはずの空き地に、

高々と建物が立ち並び、

見上げるように高かった雑草は、

見上げるくらいのマンションへと変わっていた。


そこに、
嬉々としていたあの時の自分の姿を
見つけ出すことはできなかった。

photo|ebizu

来たこともない、よその街
そこに来た、よそ者。


思い出の風景
かけ離れた現実
美化していた記憶


期待と反比例した空しさが、
体中を覆い尽くす。



あぁ僕は、曖昧な記憶の1ピースを自分の都合の良いように組み合わせ、綺麗な額縁で囲い、眺め続けていたにすぎなかったのだ。

photo|ebizu

photo|ebizu

公園から子供たちの遊び声がきこえる。
ベビーカーを押す女性が、隣を横切る。





僕の知らないこの街も、
誰かの思い出となるのだろう。

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06

photo|ebizu

本日は、17代目17を襲名されました17さんにお越しいただきました。よろしくお願いします。
「よろしくお願いします。この度、17代目17を襲名いたしました17でございます。
2017年まで、1917日前というこの良き日に、この場におよびいただき大変光栄に思っております。そしてまた、
大変嬉しいニュースなのですが、本日、65億17人目の人類が地球に誕生したということで、重ねて嬉しく思っております。」
おめでとうございます。すぐに18人目も生まれたそうですが?
「そうですか。17人目がいて18人目が生まれるわけですから。大変結構なことでございます。」
それでは、17代目を襲名されての感想をお聞かせください?
「大変嬉しく思っておると同時に、その重大な責任を感じております。」