Outside Japan  |  nananico

 知っての通り北アイルランドはUK領になっている。けれどアイルランドと北アイルランドを行き来するのにパスポートが必要なわけではない。入国審査所もないし、言葉も変わらない。旅行者である私から見たら、ここが違う国なのだと言われてもぴんとこない。ただ、建物や標識、見える風景のちょっとしたことや通貨が違う。それぐらいだ。だけど、「それぐらい」はそれぐらいじゃないのかもしれない。見えないところにきっといろいろなことが散らばって埋まっているのだろう、とも思う。

 
 
 

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Belfast, UK

Inis Oirr, Ireland

 
 
 

 アイルランドでなら、アイルランドのどこかではきっと妖精に出会えるんじゃないかって、そんな思いを抱えながら旅をした。

 そう思わせる何かがこの国にはある。アイルランドは妖精の国だ。映画にもなっているレプラコーン、アイリッシュミュージックのタイトルにもなっているバンシー、メローと呼ばれる人魚などたくさんの妖精の話がある。
 小さい頃から妖精やゴブリン、トロールやノームたちが出てくる物語が大好きだった。本当にいてくれたらいい、いや、もしかしたら見えないだけでいるかもしれないと今でも信じている。この国に来たかった理由の一つだ。

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Inis Oirr, Ireland

Inis Oirr, Ireland

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Inis Oirr, Ireland

Inis Oirr, Ireland

 
 
 

 フランスに友人を訪ねた。彼女はマルセイユ近くのカノックスというところに住んでいる。
 行ったのは6月で、彼女が言うにはその時期にしては風が強く少し涼しかったようだけれど、それでも力強い太陽の光が体に力をくれた。気持ちがよい場所だ。
 シャルル・ド・ゴール空港で乗り換えマルセイユへ。空港からカノックスまでの行き方をインフォメーションで尋ねる。乗り換えの場所と方法を紙に書いてもらって、まずはバス。駅まで行って、そこから電車。券売機はもちろんフランス語、どうやって使うかもわからない。画面を進んだり戻ったりして買った。やってみればなんとかなるものだ。オーバーニュまで行き、そこからまたバス。だけどその日のカノックス行きは終わっていたので、友人に頼んで迎えに来てもらった。
 週末だったので案内してくれた。カノックスの周辺やカシス、マルセイユ。海は目の覚めるような青。地中海の青はこんな色なんだとひとりごちる。

 
 

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Marseille, France

Cassis, France

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Cassis, France

 
 
 
 

 一年。言葉が拙くて気持ちを伝えきれなかったり、聞き取れなくて苦しい日々もあった。でも、いろんなものを見て、聞いて、食べて、撮って、たくさんの人に出会って、たくさんの経験をした。まるで、夢のような一年。人々の支えなしにはありえなかった。
 一人でじっくり考える時間が余りあるほどあった。考えすぎてわけがわからなくなったりもした。何かを成さなければと焦ったりもした。自分を失いかけもした。けれど。やり通したいことを再確認した。新たにやりたいこともできた。この一年がこの先の人生のどこかに反映されればいいと思う。

 最後に。家族と友人、応援してくれた人たち、そして出会ったたくさんの人たちに心から感謝を捧げます。
本当に、本当にありがとう。

 
 

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Cassis, France

Outside Japan
作成日:2010 年 11 月 08 日

  • 著者:Nanami M.
発行:Nanami M.

©nananico 2011 Printed in Japan

bb_B_0036144 第2版

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