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記憶の中の背中

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 ・・・・・果ては、自分で見出すことは、出来る。
 ただ、時々、静かに泣くことも、ある。
 アタシは、何を求めているんだろう?

 ヒトリの果ては、寂しい。


 ・・・・・狭い1K。
 必要最小限の身の回り。
 読書家だというあいつのベッドの下には、文庫本がずらりと並ぶ。

 
 

 あの時から、きっと、ホントは、違っていたんだ。
 
 アタシが近づこうとすれば、遠のいていく。
 アタシが離れていくと、なぜか、近づく。
 磁石のようなヒト。
 
 それからずっと後、「貴方は、まるで四次元の心を持っているよね」と言うと、笑っていた。

 ・・・・・あの時、ずいぶん距離は、近づいた気がしたけど
 夢でも見ていたのかな。
 あの時、交わった後のアイツの背中を、アタシは今でも未だ忘れられずに居る。

 アタシとの、微妙な距離感。
 肩が凝りそうな、空気感。
 それでもアタシは、ゆっくりと、その距離を縮めようと努力する・・・

 あいつは、決して目を合わせようとはしない。
 勝手にこれどう、これもいいよ、と、CDを焼き続ける。

 ソンナノ、アトデイイ。
 モットチカクニ、キテ。

 アタシニ触れて・・・・・

記憶の中の背中
作成日:2010 年 11 月 04 日

  • 著者:aoiy
発行:aoiy

©aoiy 2010 Printed in Japan

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記憶の中の背中