TOKYO POEKET(2005~2009)  |  hifumi.K

 
 

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2010.6.17
02:41

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「TOKYO ポエケット」といいます。
ポエケットはポエトリー・マーケットの略です。
そんな説明しなくても、まんまでしたね。
ミレニアムで世界が浮き足立っていた1999年の12月。
両国は江戸東京博物館で始まりました。
それからずっと同じ場所で、全国から詩人や歌人、漫画家が集います。左の写真は立ち読みコーナー。
けっこうな数でしょう?

今年もあります。
2010年7月11日(日)午後1時半から夜7時過ぎまで。
江戸東京博物館1階会議室。入場は無料です。ゲストはライム界からジュテーム北村、現代詩界から浦歌無子。どんなリーディングパフォーマンスでしょう。

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★9回目の重さ★
私たち主催者としては、全国から問い合わせがくる幸せを味わいました。知人友人から聞いたけど申し込みはどうするのか?打ち上げは?パソコン持ち込んでもよいか?などなど、たくさんの質問をもらいました。できるだけ多くのグループに参加してほしいので、使用する机も2から3グループでシェアする、という工夫も必要でした。第1回目の出展者の約4倍です。来場者の数はもうそれどころじゃない、くらいです。

とにかく1999年に第1回を開催してからの6年間、詩をめぐるシーンも変わったし、朗読の場や朗読の方法も多彩になってきました。インターネットや紙媒体を含めて、現代詩の世界は、たぶん以前よりも自由度が高くなってきたのではないかと思います。そして詩を遊ぼう、詩をかき混ぜようと始めた私たちのポエケットも、詩壇や詩誌にとらわれない交流の目的を実現していると自負しています。もちろん、多くの参加者によって成り立つ催しですから、詩に関わるたくさんの人たち・同人誌・雑誌などが個性豊かに参加してくれるからですが。

そのような意味において、1999年から初めて、2006年7月で第10回目を迎えることは、とても感慨深いものがあります。1999年といったら、まだインターネットは今ほどポピュラーではなく、朗読会もベンズカフェで始まったばかり、という時でしたから。

 

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2005年7月24日(日)
第9回ポエケット・レポート
ヤリタミサコ

2010.6.13
15:37

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書籍やアクセサリー、かわいらしいグッズなど机いっぱいどころか立体的に展示しています。

ちにとってはとても気さくで柔軟なアニキという感じです。身近で親しみやすいけど、詩の実験に対しては過激だし、優しいようでいて厳しさも併せ持っている、という人です。今回は、河出書房新社から「街の衣のいちまい下の虹は蛇だ」という長篇詩1つで1冊の詩集、という大胆不敵な詩集を上梓したばかり。ストーリー性もあり、ノンセンスもあり、リズムもあり、視覚的実験も詰め込まれている詩集で、21世紀の幕開けとして画期的な詩の世界を切り開いたと目される重要な存在です。野村さんの声はなめらかで心地よく、野村ワールドの複雑さと多様性を垣間見せる朗読でした。ポエケット後に予定されている教会のパイプオルガンとの共演を、大いに期待させるものでした。

★様々な交流の形★
京都のぽえざるも参加者が増えて会場を広げることになりました。ほかにもたくさんの朗読会などが全国で開催されるようになってきました。小説の朗読、演劇やダンスとのコラボレーション、音楽に近いスタンス、お笑いや話芸・語り芸に近いもの、いろいろなところに詩があるのがいいですね。詩のボクシングやラッパーとの対決みたいなコンペティション形式も悪くないし、逆に評価しないで受容する場も必要です。実験的なもの、過激なもの、温厚なもの、安定したもの、いろいろな詩があるべきです。

 

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第10回目をひと区切り、とは思わずに、poeket must go on! というところです。

2010.6.13
16:04

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時間や費用をかけて同人誌を印刷して郵送するスタイルもあれば、ネットで詩を発表しその感想や批評をすぐにやりとりできるという時代、様々なカタチが同時に存在し、互いにその存在を尊重できるということがヨイことです。だから、詩に対していろいろな関わり方をしている人たちが集まってわいわいがやがやすること、が貴重なのですね。
以前活躍していた同人誌の同人が集まったり、今回だけのためのユニットがあったり、出版を目的にしていたり、ポストカードや種々の小物があったり、人も物もそれぞれマイペースです。多様な生き方から多様な言葉が生まれてくるのです。

★choriさんと野村喜和夫さん★
詩学の最優秀新人賞を受賞されたchoriさんは、たくさんの朗読会で活躍し、自分でもラッパーとのスポークンワードイベントを主催されている、若手ナンバーワンというべき詩人です。トークから自然なリーディング、ヒップホップに近い弾む言葉たちがリズミカルに繰り出される。即興的な発語も当意即妙で、新鮮な風が吹いている感じでした。今後は詩の可能性・詩の領域を広げていってくれるでしょうし、新しい局面にも積極的にトライしていくでしょう。期待できる詩人です。
野村喜和夫さんは高見順賞や花椿賞受賞詩人ですが、私た

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というわけで参加しました、江戸博はポエケット。規模は年々大きくなっていると伺いましたが、それでもマンガの即売会にくらべればかなりアットホームな空間でした。お客さんも参加者も多少なりともアートに造詣のある人種なので、その点も一安心。少なくとも闇夜に鉄砲撃ってる感覚はありません。
私たちは佐々木慎二さんという名古屋在住の詩人さんと、「すてきな三人ぐみ」というユニットでの参加でした。出品物は以下の通りでございます。

・私とミノルさんの共同詩集『朝食毎の奇跡に』
・切り絵作家サカイさんの絵葉書
・慎二さんとイラストレーターの友人のコラボ・ポスト
 カード
・ミノルさん、慎二さん、それぞれのフリーペーパー。

これから「出店してみようかな」という方の、参考になれば幸いです。周りのブースを見て回るのは目にも楽しく「なるほどこれぐらいの価格で、こうやって売るのか」と大変勉強になりました。編み物やCD、写真集なんかもあって文化祭みたいでにぎやかでした。詩だけでなく、もっと色々な出品物が出揃ったら、より楽しいイベントになるでしょうね。絵葉書は好評で、ふらりと、私たちのブ
 詩集は知り合いの方々が買ってくれました。

大澤と申します。2005年7月24日のポエケットに初参加いたしまして、そのレポにてござりまする。
 私事で恐縮ですが、高田馬場はベンズ・カフェというオープン・マイクのポエトリー・リーディングやってる店で、福岡在住の紺藤ミノルさん、と知り合いになりまして、お互い学校で英米文学を学んでいて、おまけにオタク、ということですっかり意気投合して「では、共同詩集でも編纂しますか」という運びになったのが、ポエケットに参加するきっかけでした。そうなると、当然「じゃあ、つくった詩集はどうする?」ということになりまして「まてよ、ポエケットという詩の即売会があったな」とネットで検索したところ「主催:川江一二三 ヤリタミサコ」。主催が、梅島のユーコトピアというライブ・ハウスのやはりオープン・マイクで、いつもお世話になってる方々でした。私のアンテナもつくづく錆びてますね。それまで私は、諸事情あって、制作した小説をコミック・マーケットで売ってました。コミケはコスプレしたお姉さんが見られるのは素晴らしいのですが、私が書いた作品に関しては全くのノー・レスポンス。いくらお客が多いとはいえ、萌えアニメのパロディでエロ・マンガ売ってる傍でマイナーで「文学的な、あまりに文学的な」現代小説売っても、売れるわけありません。対象とするマーケットを哀しいぐらいに間違っていたわけですね。

 

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2005年7月24日(日)
第9回ポエケット・レポート
大澤正智

2010.6.14
00:34

 

ースに立ち寄った方も買ってくれました。お買い上げいただいたみなさん、本当にありがとうございました。またhp等でプロモの場を提供していただいた方々に多大な感謝をいたします。打ち上げの沖縄料理屋で、売上の金を配分しているときはちょっとした、ギャング・スター気分でした。「野郎ども。今日の上がりだ」

  ポエケットの特色として、イベントの後半にポエトリー・リーディングのパフォーマンスがあって、イベントにメリハリが出て楽しかったです。「眠くなる」との声も聞かれましたが、詩を聞きながらうたた寝、というのも人生の良い1ページなのではないでしょうか。誰も「寝たらけしからん」とか、「私の詩はこう聞け」とは、強要してないですものね。
 そろそろポエケットの今後の方向性、将来への期待、など書かなければいけない頃合なのでしょうが、これはもう去年初めて参加したばかりなので、これから参加者の一員としてイベントを盛り上げていきたいです。後日詩集を買っていただい方から率直なレスをいただけたのは、快感でした。今までの経緯を思えば喜びもまたひとしおです。
イベント全般のライティングの技巧に関しては、詩にも建築や美術と同じように多彩な歴史、様式があるので、身内同士おんなじ土俵、文脈で物をつくり続けるとエントロピー

ピーが起こるので、もっともっと多様な表現技巧が試されて、化学反応が起きたら良いな、と期待しています。そして、もちろん最後は、私たちの宣伝なのでーす。今年もポエケットに参加します。去年の『朝食毎の奇跡に』は身の回りにあふれる物事に別の角度から光を当ててみよう、というコンセプトでしたが、今年はメタリックで、ゆらゆら揺らめく水銀のような「恋愛詩集」です。第一次大戦後のサロンで発表されるような雰囲気がでたらいいな。舞台は現代ですが、おそらく。

というわけでみなさん、来て見て買っておくれでないかい。今年も素晴らしい夏になるといいですね。

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第9回ポエケット・レポート続き
大澤正智

2010.6.14
00:43

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2010.6.13
16:12

2006年7月2日(日)
第10回ポエケット・レポート
“青クマ”植草四郎のポエケット体験記

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君は自分の最高速度を知っているかい?
それが人より遅くたってかまわないだろ?
ただアクセルを全開に、ペダルを踏み込む瞬間が最高なんだ。

僕はいつだって勢いだけだ。
きっちり計画を立て、計算どおりにことを運ぶなんてことは苦手。詩集も勢いで作った。ほとんど勢いオンリー。
読者いないが作品はある。金はないが、勇気を持て余している。だから僕は作った。僕の詩集をね。名前は『Bossanova』って言うんだ。いい名前だろ?
待っていたって風は吹かない。ならば自分自身が風になるのみさ。
そしたら人に読んでもらいたくなった。きっとこれが僕の次のステップなのだろう。
そんな僕にとってポエケットはまたとない機会。実際参加してみて凄かった。
まず驚いたのはブースの数だね。世の中にはこんなに詩人っているのだな。そして皆さん売りたいし、買いたいのだな。並べられた作品も皆それぞれのオリジナリティー溢れて、一冊一冊に想いがにじみ出ていて、気迫すら感じたな。そんなコトバの花園を、魂を自由にして、ひやかしひやかし歩けば、必ず自分の波長に合った作品とめぐり会え

るよ。そして恋に落ちるんだ。
ゲストの柴田千晶、桑原滝弥両氏の朗読も素晴らしかった。私も朗読の真似事をしているけど、レベルが違う。表現者としての才能を度量も。悔しいけど、お金を出してもまた見てみたい。

そんな中で、僕は「青クマ」コスプレをしたわけだが・・・。
これは勢いオンリーの自著をフツーに売っても見向きもされないだろうと思った私の苦肉の策だが、目立つことは目立ったけど、売り上げに繋がったかは疑問だな。皆、遠くから写メするばかりで、近づいて来ない・・・。
次回のポエケットでもし青いクマを見かけたら、恐がらずに声をかけてください。食べたりしないから。ガオー!!

意志あるところに道あり。ならぬ風あるところに道あり。

第11回の東京ポエケットは従来の『会議室』ではなく、やや狭い『学習室』の使用だった。そのためか、各々のブースの息遣いがいつもより近くに感じられた。
そう、風と呼ぶべきパワーとそれが創り出す道のなかに、詩人達の息吹が、従来のそれとは比較にならないほど。

それぞれのブースでは、それぞれの自慢の詩誌、詩集が並べられた。言葉を紡ぐ事の繊細さ、大胆さ、あるいは冒険。ひとつひとつを手に取る事は残念ながら出来なかったが、自分は詩人と謳う精鋭たちの武器は、明らかに輝きを有していた。そんな中で、私の詩誌『mizu』。
周囲の圧倒的なプレッシャーのなか、誰でも良い、異化された言葉の欠片を掬い取って欲しい。この武器を装備する事により、強くあって欲しい。そんな一存でのブース運営となった。
ただ、そんな戦いの中にも2つのオアシスが存在した。ゲスト・リーディングの木部与巴仁氏と伊津野重美氏だ。
言ってみれば、木部与巴仁氏は動、伊津野重美氏は静のリーディング。
このご両人の言葉は正、反、合、止揚といった弁証法的に会場へ静寂を与えてくれたすばらしいものだった。まさに休息の場だった。

戦いの後半戦は、そろそろ夜のとばりが降りる時間になりり、来場者もすこしずつまばらになってゆく。

中央の着物を着ている男性が木部与巴仁氏。朗々と会場を圧するような迫力のリーディングでした。
江戸博主催の展覧会と被ってしまい、初めて会場が会議室以外になりました。とはいえ、2部屋をぶち抜きで使用したのですが、ステージがなかった分演出の仕方はお二人ともそれぞれユニークでした。もうひとりの伊津野重美氏は短歌の方です。

 

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2007年7月1日(日)
第11回ポエケット・レポート
つつみ潤の東京ポエケット体験記

2010.6.13
16:35

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他の会合、すなわち「世界人類会議」または「宇宙存在者会議」のサブミーティングである、と考えている人もいるようだ。
それと対照的にポエケットをごく狭い範囲の「詩人(それも一部の詩人)」の趣味サークル活動である、との見方もあるようだ。
その中間的な見方として、販売会、すなわち販売促進イベントや見本市のような物である、とも思われているようだが、書店、市町村、学校等からの招待客の出席はなく、会場内取引規模からみても資本主義的経済活動の枠内では理解しがたいと思う。
さて、表面から見てもそのように不可解なポエケットであるが、私としてはさらに不可解な、ポエケット水面下で進行していた(と、考えるべき)、「怪物ワークショップ」について報告したいと思う。

今回のポエケットには怪物が集結し、「怪物ワークショップ」が極秘で開かれていた。気がついた人はどのぐらいいただろうか?
まず、私がポエケット会場で見かけた最初の怪物は、「OVNI」という同人誌の中にいた。
「OVNI」を読んだ印象をレポートすることから話を始めよう。

 

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ポエケット・怪物ワークショップ偏
蛾兆ボルカ
Poem ROSETTA

2010.6.13
17:02

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来場者もすこしずつまばらになってゆく。
でも、私は諦めない。
最後の最後まで、『mizu』を武器に、死力をつくし戦い抜いたのだ。
おかげで、帰りの荷物も軽く、詩人という鎧を脱ぎ捨て、ただの若者に戻る事ができた。
土産は沢山ある。すこしずつ、目を通してゆき、今後の自分の戦いの種にしてゆきたい。 (つつみ潤/了)


●蛾兆ボルカ
ポエケットは、まだ来たことのない人に一言で説明するなら、<「世界中年会議」のサブミーティングである>、と言えるだろう。

それは「世界中年会議」の特徴を反映して、激しく混乱しており、代表者会議でありながら、博覧会でもある。
本当に中年会議であるのかどうかも疑わしく、一定の老人と一定の青年が参加しているが、彼らは自分たちが中年ではないことについて、様々な混乱した自覚を持っており、実はポエケットは青年会議なのかもしれないし、老人会議なのかもしれないと思われているようだ。
あり得ないことだが、ポエケットを、全年齢老若男女その他の会合、