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 W杯やAFCのような世界のフットボールを経験することで、Jリーグのレベルアップにもなる。もちろん、日本独自のスタイルのフットボールがあってもいい。世界に出た時に、それが世界のレベルで互角に戦えるスタイルであることが必要なのである。南米と欧州のスタイルが違うように、イタリアとスペインのゲームコンセプトが違うように、大きな違いがあったとしても、同じ土俵で競い合える水準にあれば、種類の問題など無関係になる。

 学問、仕事、人生、すべてにおいて唯一の心の師匠でもあるバックミンスター・フラーは「グローバルに考え、ローカルに行動せよ」と言った。世界を知れば身近な行動のしかたが自ずと分かってくるというほどナイーブなことを言うつもりはないが、百聞は一見にしかず、世界で見たことから教えられることは決して少なくないし、そのどれひとつとして無駄なことなどない。地球の大きさを体感すれば、個人の所有欲などの卑小さが見えてくる。それだけでも有益だと思う。

PICTURE 5 完

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2006 FIFA World Cup in Germany

PICTURE全5巻、2000頁の旅行記はこれで終わります。長いこと見てくださった皆様に感謝します。

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 すべて終わった。

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 世界の舞台では日本のフットボールが通用しないということが分かった大会だった。フランス、日韓大会と世界に近づいた気がしたが、その隔たりはまだまだ大きかった。もしかするとゲームに勝つことはできるかもしれない。スポーツは何が起きるか分からない。しかしフットボールは結果のスコアがすべてのゲームではない。南米やヨーロッパと同じ文脈、同じ土俵で競い合える、同レベルのスピード、リズム、パワー、ひらめき、遊び心、技術、経験、が必要なのだ。

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 彼の視線の先には、なかなか起き上がろうとしない中田英寿の姿があった。ドイツの少年は日本チームを応援してくれたがそれに報いることはできなかった。

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終わった。

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 センターサークル付近でうずくまる中田英寿。

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 前半ロスタイム、ロナウジーニョのクロスを起点にしロナウドにヘッドを決められる。ロナウドが地響きを上げながら突進して行くところに日本代表の守備陣は明らかに道を空けたように見えた。後半戦は完全にセレソンのペース。ジュニーニョのミドルがゴールに突き刺さると、そのすぐ後にロナウジーニョのスルーパスからジウベルトが決め、ロナウドのダメ押しで幕を閉じた。ロナウドが2本決めたが、必ずロビーニョとカカが飛び込んで来るので、日本のディフェンダーは崩壊していた。どこに着いていいのか判断できず、ただうろうろしているようにしか見えなかった。いやむしろ恐怖感から敵から逃げているようにも見えた。正直に言って、ブラジルの攻撃を止める方法は日本にはない。中盤で守備ができない限り自陣では攻められ放題になる。最後尾では打つ手がない。横幅68mのヴェストファーレン・シュタディオンのピッチを十人で守ったとしても、ロナウジーニョのスルーパスなら通すことができる穴が50mもあるのだ。完璧な守備などというのはまったくの幻想にすぎないと思った。

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