DJ TKD'S HORROR- SHOW DISC REVIEW  |  PARK.101

DJ TKD'S
HORROR-
SHOW
DISC
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01

 

text by DJ TKD

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CONTENTS

MARILYN MANSON
"HOLY WOOD (IN THE SHADOW OF THE VALLEY OF DEATH)"

HERMANN NITSCH
"DAS 6-TAGE-SPIEL DES ORGIEN MYSTERIEN THEATERS"

PANTERA
"REINVENTING THE STEEL/HELLBOUND"

MINISTRY
"JESUS BUILT MY HOTROD"

KOЯN
"ISSUES"

THE DOORS
"THE DOORS/THE END"

DJ TKD'S
HORROR-
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 大学卒業後、雑誌ライター、テレビ番組の構成などを経て、80年代後半より、DJとして下北沢ZOO、乃木坂DEEP、恵比寿MILKなどで活躍。
 2000年より、漫画原作・構成者としての活動を開始。主な漫画作品に、原作者として『LAZREZ』『皆殺しのマリア』(ともに作画/竹谷州史)、構成者として、『死霊狩り』(原作/平井和正 作画/梁慶一)、『累』(原作/三遊亭円朝 作画/田邊剛)などがある。
 また、書籍「LIFE AT SLITS ライフ・アット・スリッツ」に、「証言者」及び編集協力として参加している。
 現在は、月刊コミックビームで巻末コラム『帰ってきた! DJ TKDの今月のイカレた1枚』連載中。DJとして、Starfuckers Inc. at Bar Isheee他。デパートメントHではレギュラーブース「ガンプラ・ブース」を主導。
 UStreamプログラム「DAMMUNE」元主催。
 BCCKSに、インタビュアーを務めた「カネコアツシ、初監督映画を語る」がある。

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TKD (a.k.a 武田裕明)













twitter : dj_tkd

2010.5.12, 「DAMMUNE on DOMMUNE」!!!!!!!

MARILYN MANSON

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 間違いを怖れてはいけない。ロックとは矛盾を乗り越えていく衝動であり全てが許され全てを奪っていくものだ。それは間違いではない。
 ヘヴィ・ロックの根源の一つにインダストリアルがある。ジェネシス・P・オーリッジ率いるTGによってパンク・カルチャーとノイズや電子音が出会い、インダストリアル・ミュージックという胎児が生まれた。インダストリアルの出自はパンク・カルチャーの中にある。
 エレクトロニック・ミュージックはテクノロジーの進化と共に別次元へとぶっ飛んでいく。サンプリングとシークエンサーは反復を容易にし、反復はトランスを与えた。そしてダンス・ミュージックと結びつき、暴力的なビートと狂ったダブ・サウンドやオルタナティブ・ファンクが生まれた。

HOLY WOOD
(IN THE SHADOW OF THE VALLEY OF DEATH)

NOTHING/VICTOR ENTERTAINMENT VICS-1002

 ラジカルにラジカルに、インダストリアル・ミュージックは進歩を求めていた。やがて狂ったダンス・ミュージックは、ヘヴィ・メタルと出会う。反復されたトラックに殺人的なギター・リフが備わった。この機械のように無慈悲なリフとダンス・ビートの持つ重いグルーブがヘヴィ・サウンドに受け継がれ、90年代のロックの方向性が決まった。
 マリリン・マンソンはインダストリアル・サウンドの直系である。パンクのロマンティシズムを復古させる。ナチズム、変態セックス、猟奇殺人、ドラッグス、神への冒涜。これられは過去のオルタナティブ・バンドがモチーフにしてきたものだ。われわれが目をそむけるこの世の暗黒を白日の元にさらすこと。

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MARILYN MANSON "HOLY WOOD"

パンクとは本来そうした運動であった。マリリン・マンソンの行ないはパンク的に正しい。

 99年のコロラド州で起きた「トレンチ・コート・マフィア」たちの高校生乱射事件で、犯人たちがマリリン・マンソンを愛聴していた事実を逆手にとられ、報道機関はマリリン・マンソンはスケープゴートにした。
 バンドはその活動を休止に追い込まれた。マリリン・マンソンは3ヶ月の間、家を一歩も出ずに引き篭もり、本作「ホーリー・ウッド」の構想を練ることしかできなかった。
 銃乱射事件の影響、暴力とエンターティメントの関係。彼は制作中に10年前のモチベーションが蘇り、世界への敵意を剥き出しにしすることに立ち戻ったという。

 だれもが子供の頃から見ているJFKの暗殺の映像ほど暴力的な映像はないし、聖書ほど暴力的で性的な本はない。
 ぼくはキリストが十字架に磔になっている姿こそセクシャルなものであるということを見せたかったんだ」

 本作は3部作を締めくくるアルバムとなるのだが、構成上は3部作の第1章に当たるらしい。続く第2章が「メカニカル・アニマルス」、「アンチクライスト・スーパースター」が最終章となる構成だという。
 そして来春には このアルバム3部作の物語が含まれている自筆の小説が出版され、その映画化も予定されている。

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MARILYN MANSON "HOLY WOOD"

「このレコードはわれわれの戦闘宣言だ。自分たちが言いたいことを言う権利のために闘うし、アメリカによって使い捨ての魂のないものとして扱われているキッズの代表として闘う。
今のアメリカはぼくたちが落ちるのを期待しているけど、どんなことがあっても僕たちは勝利を収める。
 みなが暴力的な音楽、暴力に対する音楽を作ってるんだと責めて非難した。でも、それは不正確だ。
 今回は彼らに応えて、非難する口実を与えるための暴力的なレコードを出した。今はアメリカと世界をぼくが最も必要としている時だし、ぼくがそこにいないといけない時だろ?
 だいたい社会の問題をエンターティメントのせいにするなんてバカげてる。

監督はカルト映画「エルトポ」「ホーリーマウンテン」で知られるアレハンドロ・ホドロスキーが予定されている。
「ヘヴィなレコードを作ることが難しかった。今市場にはヘヴィなレコードばかりが出回ってる。単にヘヴィな音を作るのは簡単なことで、必要なのはディストーション・ペダルだけ、才能なんて必要ない。
 でもぼくはメッセージと同じくらいのヘヴィな音を作り、他のヘヴィ・ミュージックとは一線を画したかった。これも大きな挑戦だった」

 彼の言葉通り仕上がりはリリース上の最後を飾るに相応しい重厚で荘厳なアルバムとなっていると思う。

 「汝は汝の銃を愛すか?」「ハイ!」「神はどうだ?」「ハイ!」「政府は?」「勿論!」
 今回は政府にもその照準を合わせたマリリン・マンソン。FBIがジョン・レノンのファイルを押さえていたように、マンソンもマークされてしまうのだろうか?
 ロックスターを否定する自己矛盾のロックスター。彼は内に抱える矛盾を、ニーチェよろしくジーザスへの嫉妬として表現することにより、乗り越えていく。悪徳のロックンロール・モンスターはけっして世界を挑発することを止めはしない。

(2001)

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MARILYN MANSON "HOLY WOOD"

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HERMANN NITSCH

DAS 6-TAGE-SPIEL DES ORGIEN
MYSTERIEN THEATERS

CORTICAL FOUNDATION ORGAN OF CORTI 16

 ウィーンの芸術家・アクショニストであるヘルマン・ニッチェ。本作は彼の率いる「OMシアター(乱交と神秘の劇場)」によって行われた98年10月3日から9日にかけてのドキュメントの記録である。
 ニッチェは60年代から、絵画、劇場、文学、音楽を束ねて完成させる「総合芸術」をパフォーマンスとして行っている。
 彼のアクションは宗教的な祝祭の性格を持っており、酒と音楽によってディオニソス的カタルシスを復活させる。異教徒の祝祭の中でキリストの磔を行うという倒錯。演劇的でドラマチックなものを浮かび上がらせる。
 犠牲の子羊を切開し、生理用ナプキンをこすりつけ、羊の死骸を天井から吊り下げる。