TWILIGHT  |  iwagaki

デザインは基本的に、発注者がいて成り立つものだと思う。俗に、自主プレと呼ばれる自らアイデアを先方に持っていくことも、相手を想定するから成り立っているのである。
レコード会社をつくって、架空のアーティストのジャケットを作るというのは、考えてみるともはやデザインと呼べない。かといって当の本人はアートをやっている気は全くない。練習?マスターベーション?
無職が、必死に毎日こんなことをしているとたまに怖くなってくる。足なんてガクブルだよお母さん。
しかし、いいぞもっとやってしまえ、と言うもう一人の自分がいるんですね。クレヨンとか絵の具とかパソコンではない道具を取り出すときなんて、ワクワクします。言葉にできない何かを非常に感じる。スターウォーズ的に言うと、フォースを感じる。
右は、架空のレコード会社のロゴ。既製品=Ready madeをもじって、Lady made =作られた婦人とした。まあ、つまんないダジャレですね。

10月26日

39

フォースと共にあらんことを

38

10月26日

今日は台風だった。
だから一歩も部屋から出ずに暮らした。
お金も1円も使わなかった。家にある大根とか味噌とか米とか缶詰食ってしのいだ。
テレビは、朝から酒井法子の裁判で一色だった。傍聴したい人々が、日比谷公園に並んでいた。こんな平日に朝から並ぶなんて、どんなヒマな奴らなんだろうと勝手に忙しくしている無職は思った。
昨日、知人の女子が結婚するという話を聞いた。
なんでも入社試験のときにいた5人の面接官のうちの一人で、彼だけ輝いて見えたそうだ。それで、彼には恋人がいたけど、9ヶ月アタックしまくって結婚に至ったそうだ。これは、女の直感はすごいって話じゃなくて、その行動力がすごいと思った。
僕は直感を信じて、自らドロップアウトしてもうすぐ10ヶ月経つけど、まだ何も起きちゃいない。まだまだアタックが足りないってことなのかい。そうなのかい。ほんとにそうなのかい。

女の直感

37

え、長嶋さん?

10月27日

注文していた紙を取りに、神保町の竹尾見本帖本店に行って来た。
その後昼頃に、永田町でN先輩がイラストレーターの使い方を教えてほしいと言うから行った。昼飯食おうというから奢ってもらおうと釣られて行った。そしたらコンビニのおにぎりと牛乳だった。

先輩は企画を企業などに売るのが得意な人なのでどうやって企画をつくっているのか極意を訊いてみた。
「ダメになる企画もいっぱいあるわけですか?」
「んー、ない。俺は企画の作り方をここ5年で変えてからないね。企画は持ち込まずに、まず相手の話をただ聞きに行く、話し合いながらオッって思う瞬間があるわけだよ。オッだよ。オッ。その時に、自分が今まで貯めてきたアイデアと合体させたりするわけだよ」

オッ
だってさ。

本日はところ変わって、武蔵野美術大学にやってきました。広告賞に出すアイデアの物撮りを、毎度おなじみのカメラマンの田中さんにお願いする。写真スタジオをタダで貸して頂いて、撮影した。
その後、風神亭というとこで田中さんや日本画の方々と呑む。奢ってもらっちゃいました。ほんと色々といつもお世話になっちゃって。てへ。
実を言うと、僕は何だか自分が負のスパイラルに入っている気がして、最近この世の終わりみたいな感じで何とか生きていたんだけど、この日、田中さんや日本画の方々と呑んでいて、何がきっかけか分からないんだけど、急に吹っ切れた瞬間がありました。
悩んで暗い自分に飽きたというか、社会的に追い込まれている自分が何だか非常に面白くなってきた。
もう笑ってしまう感じです。別に変なキノコ食べたわけじゃないんだけど、元々僕は単純な人間なので、明るく生きた方が気持ちがいいんです。
サイコーです、を口癖にしよか思うとります。

10月28日

武蔵美

36

昼頃、有楽町にまたN先輩に呼ばれる。先輩からまたとりあえずタダだけど、という風呂敷はでかいプロジェクトの仕事を頂く。いやーこういうタダな仕事を必死にやる29歳の無職が世の中にはいるんだよ。面白いでしょう?え、面白くないって。そらぁまずい。
今回は担々麺を奢って頂く。謝謝。
夜に、CDジャケットの仕事をくれたHさんとNさんに会う。また奢ってもらう。タダ飯ばっかで申し訳ありません。実を言うと、このまま行くと僕はもう貯金がなくなってきたので、来年1月2月には実家に帰るか、家賃2〜4万ぐらいの激安アパートに引っ越さなきゃならなくなりました。
そんな中、大容量のUSBメモリを持ってなかったので買いました。5000円ぐらい。なかなか良いデザインでしょう。鍵だよ。
おれの社会の鍵はどこにあるねんっ
という寒いツッコミして誠に申し訳ありませんでした。何卒、宜しくお願い申し上げます。

35

10月29日

僕は大きな勘違いをしていたことに今日、ようやく気づいた。これは、人の見た目の話である。僕を髪型は高校卒業して以来、ほとんど茶色や金髪に染めてきたし、自分なりに凝ってきたと思う。けれど最近はどこにでもいそうな黒い短髪だ。坊主が伸びただけだ。
服装も高校卒業後の進路で、美大か文化服装学院か迷ったほど、服が好きだったのに、最近はいつも同じ黒いズボンで、おまけに顔にうっすら産毛なんか生やして、下北沢を覇気のない顔で猫背で歩いている。つまり、色々見た目にはこだわってきた自分なのに、何か真面目で誠実で実直な生活をせねば、報われないと思い過ぎて、見た目にもその変な僕の自意識が具現化されていた。何か変だなぁしっくりこないと思っていたのは、90%ぐらいそういうことだったのだ!
何故、急にこんなことを言い出したのかと言うと。
最近、親しくなった友人が僕のことを「真面目か?」と訊いていた話を聞いたのだ。また別の人にも誠実そうだと評された。(次ページにつづく)

10月30日

人は見た目が10割

34

なんでだっ?!とそのとき僕は違和感を得た。僕はどちらかと言うと、アヴァンギャルドとかアウトサイダーな思想を愛しているし、またそういう物事をあえて斜に構え曲解していくことこそ、未だ人が見たことのないアイデアを考える大きな要素だと思っている。
それが、何とかデザイナーとして仕事を得たいとか就職したいとかそういう切実な思いが、どこか本来の僕を硬くしていたようだ。お金がないから服は買わないとか、節約のため坊主にしたりとか、どうも最近の負のスパイラルには僕自身で向かっているような気がした。僕が大事にしている大胆さとか意外性とか逆の発想とかがない。それが見た目にも現れ始めて、人の印象も変える始末だ。一般論の具現化である。
見た目なんて本当は本質ではないが、内面から見た目が変わってしまうこともあることを僕は体験したのである。そうだ、僕は僕を取り戻そう。過剰な未来への心配はどうやら僕の精神をそして肉体を蝕んでいたようでした。もっと派手にいくんだ。

33

1、N先輩の仕事ー地域プロジェクトロゴ
2、N先輩の仕事ー500mlペットボトルパッケージ
3、N先輩の仕事ー1ガロンのペットボトルパッケージ
4、HさんのCDジャケットデザイン
5、Hくんのプロダクトのグラフィックデザイン
6、読売広告賞
7、毎日広告賞
8、朝日広告賞
9、コンペ 1 wall展
10、ポートフォリオ制作
11、劇団白昼夢
12、LADY MADEレコードのCDデザイン
13、日本画の画家の名刺
そして、短期派遣で働いていたデザイン会社に、明後日から1週間スーパー短期の仕事を頂く。無職なのに最近やることがたまり過ぎてしまった。ちなみに報酬が発生するのは、今のところ、この会社の仕事だけである。そして今日、住民税を払ったのである。

32

無職の仕事リスト

11月2日