STUDIOVOICE 404 Digest bcck  |  STUDIOVOICE

 

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Photography by Boris Mikhailov

Photography by Eiji Ina

 
World Travelogue
旅へと誘う紀行文

 
 
 
旅に出ない若者が話題になった。
旅を夢想することがある。例えば、ディープ・ブルーの南洋に佇む離島、体の芯を正されるような霊山の頂、人種も熱量も混濁した都市のカオティックな祝祭、時間軸を切り離して淡々と営まれる先住民の集落。
したことのない経験への欲望といつか見た景色の更新——旅することは日常を異化するのと同時に、日常の末端を延長していく作業に他ならない。だが、旅に行かないことが増えた。お金も時間もない、旅行自体が特別な意味を持たない、ネットで知ったから行かなくてもいい。そうかもしれない。

 

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では、思考としての旅、という試みはあり得ないだろうか。旅人たちが残した記録は、文字であれ写真であれ、彼らの体験の痕跡である。我々はそれに触れ、彼らの視線と足取りを借りることで、まるで旅人に憑依したように、旅をなぞることができるのではないだろうか。

Photography by Eiji Ina

Photography by Eiji Ina

この特集は彼らの痕跡=「紀行文」というメディアを通じて、思考としての旅を試みるものだ。彼らの身体を辿ることで、彼らが見聞きした国々のカルチャーを追っていく。それはいま有効な旅の提案となるはずだ。
本から旅をはじめてもいい。旅から帰って本に触れてもいい。日常は本という媒体を介して旅に接続する。いずれ行く旅のために。いずれ再び行く旅のために。それではページを繰って、旅をはじめようではないか。

 
 
 
特集

 
 
 
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