ARTBOOKS  |  STUDIOVOICE

 

01

BOOK

 
 

harukichi

 
 

糊とはさみが全て。デッド・ケネディーズ一連のジャケットやグリーン・デイ『Insomniac』のジャケで有名なコラージュ・アーティスト、ウィンストン・スミス(b.1952)のモンタージュアート三部作最終刊。古き良きアメリカ的な絵、宗教画、動物、魚などが素材として頻繁に使われ、不思議なコラージュ世界が浮き上がる。大自然の中に宮殿があって上空には宇宙船が飛び、横にはカメラマンが、その背景にはスフィンクスが鎮座し、目の前の画家の顔は何故か馬、といった陽気な錯乱夢を見てる感じ。“God Bless America”とナチ政権モットー“Gott mit Uns”(God with Us)とは何が違うのか?また“Support Our Troops!”と言いながら退役軍人サービス費や給付金をカットし戦死者遺族給付金を下げるのは何故なんだといった本人によるブッシュ政権批判エッセイも多数収録されている。

021

2009.6.27Sat13:47

Winston Smith『All Riot on the Western Front』(Last Gasp)2004年発売

四谷シモン、吉田良、天野可淡に続く新しい才能が産まれた。彼の名は富崎NORI。球体関節人形を実際に作るのではなくCGで描くアーティストだ。ゴシック&ロリータという背景の中に少女人形を溶け込ませ、今までにない不思議な世界を作り上げた彼の画集。「グロテスクな国のアリス」といった趣で、NORI氏のダークな童話と共に、目は死んでいるが肌がやや赤く、もしかして生きてるのでは?と思わせるほどの関節CG人形達がこちらを見詰める。画集の最後のほうには本物の女性をスタジオで撮影しその後CGで関節を球体に変容した球体間接少女人間とも言える、キュートだが薄気味悪い作品が並ぶ。実際の人形では、指で作れるところまでが限界だが、CGに限界はない。どこまでも緻密に理想少女を突き詰めることができる。一枚完成させるのに「朝から晩までPCに向かって2週間くらいかかります」という富崎氏の精魂が込められた作品をぜひご覧あれ。

020

2009.6.27Sat13:40

富崎NORI『幻の箱で創られた少女』(アトリエサード)2007年発売

harukichi

 
 
 

2009.6.27Sat13:35

019

主に70~90年代初めにゲイ雑誌で活躍した画家七名の(未発表を含む)作品約160枚を一冊にまとめた本(B5より一回り小さいサイズ。隣のお兄さん的親しみのある顔で柔道、ラグビー、自衛官を描く木村べん。プロレスラー並のマッチョマンがアナルを指で広げられ舐められ拘束され射精する姿を鉛筆ドローイングで描く児夢(Gym)、ロマンスグレーのおっさんと美少年がからんだり、一枚の絵からストーリーが浮かんできそうな絵を描く林月光。杉様の流し目あるいはマツケンか遠山の金さんといった純和風ちょんまげ着物にこだわる遠山実。モヒカン、レザー、ドラキュラ、アラビアン・ナイトといったコスプレしてセックスしてるみたいなコミカルさがある倉本彪。しかし一番カッコイイのはマットで原色直球な色調とコラージュ感覚が“おまえっ横尾忠則だな”と感じさせる長谷川サダオ。自らもゲイ・アーティストである田亀による各画家の解題が親切でグー。

 
 
 

harukichi

田亀源五郎編『日本のゲイ・エロティック・アートVol.2』(ポット出版)2006年発売

harukichi

 
 

小妻容子(b.1939)のカラー緊縛画集(A4判244P)。前作『刺青美浪漫』は緊縛された一人の女性だけが描かれた(静的な)作品が多かったが、こちらは責める男性も描かれ、ヤクザ映画か時代劇、或いは縛りながらのセックスのワンシーンっぽいものが多い。エロオヤジと嫌がる女、女二人男一人の3P、女を裸にして松に吊るし下から蝋燭であぶる町人、柱にY字バランスで縛られ股間を蝋燭で焼かれる女、不義を働いたのかペアで縛られうなだれる男女、などなど。はだけた和服からこぼれる巨乳、のぞく刺青がいやらしい。一人絵ではひっくり返したテーブルの脚に四肢を拘束された和服の女、縄で強制大股開きにさせられた女のオマンコを猫が舐めてる絵(すごいかわいい)、洋椅子の背に胸を付けるように(普通の椅子の座り方の逆)緊縛され突き出たお尻に点滴浣腸を入れられる女なども描かれている。前作より版型が大きいのも良い。

018

2009.6.27Sat13:30

小妻容子『刺艶恋縄』(マイウェイ出版)2005年発売

 
 
 
 

西洋の名画(といわれているものに)現代のアーティストはどう反応するか? キュレーターが55人の画家に、その名画を元に委嘱したオムニバス作品集。片ページに原画、逆ページに現代作品という構成になっている。例えて言うなら原曲付きのカバー・アルバム。ミケランジェロ、レンブラント、ゴッホ、ウォーオール、ベーコンなどの絵画がデジタルで、写真で、文字でリメイクされる。ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」のキリストをマイケルジャクソンに描き変えたマーク・アラリー、ジェーン・フーケ「天使に囲まれた聖母子」を極彩色サイケデリックに変容させた田名網敬一、アンリ・ルソー「夢」を白黒線画でアレンジした板倉敬子など。今までもオマージュ作品集はいろいろあったが、原画と一緒にというのは初めてだろう。巻末にキュレーターと画家からのコメントが付く。

017

2009.6.27Sat13:28

Sebastien Agneessens『Remastered』 (Die Gestalten Verlag)2007年発売

harukichi

 
 
 

harukichi

Shepard Fairey『Supply & Demand』 (Gingko Press)2006年発売

2009.6.27Sat13:26

016

グラフィック・アーチスト、シェパード・フェイリー。アンドレ・ザ・ジャイアントのシールを作って街中そして世界中に張って回るプロジェクト(捕まる事13回)や、政治家を使ったポスター、オジー・オズボーンやシド・ヴィシャス、ボブ・マーリーを描いたポスター等、彼の17年の活動を纏めた集大成本(白黒240点、カラー560点計360ページ)。ぼやけた又はかすれた感じを出すためにステンシルを使っている。プロパガンダな雰囲気を出すため色はクッキリ&ハッキリ、二色しか使ってないのもある。或いは人物の胸像を描き周りはアール・デコ?文様で過剰に飾り皮肉的に「More Militery Less Skools」といったプロパンガが添えられる。カッコエー。何故アンドレなのか、過剰な資本主義や政治に対する疑問、作品についてのコメントなど本人によるエッセイも多数収録しているのでフェイリーの思想を知るのにも良い。

 
 
 

harukichi

水野純子『Hell Babies』
(エディション・トレビル)2001年発売

2009.6.27Sat13:12

015

漫画家水野純子(b.1973)のイラスト画集。いろんなギャルの絵とそのギャルの動向を描いた人物ファイル絵から構成される。ピンク・ピンクわはは、ラメ・ラメわはは、ムチムチわははでサイコー!ドピンク、ド緑、ド紫に染めた過剰にゴージャスな髪型、基本的に上半身裸(エプロン有り)、大きなオメメ、そして巨乳。言う事無し。だけど彼女達はゴミを漁り、生傷が絶えず、血の雨を浴び、なぜか眼が死んでいる。何故ブラック・テイストを加える(笑)!いや、それがいいんだけどさ。日本全国のギャル(自称も可)は水野純子キャラからファッション・センスを学ぶべし。

 
 
 

harukichi

可愛いけどちょっと生意気でシュール。みんな顔がえらくデカイ。ベティ・ブープかペコちゃんをデフォルメした感じ。クリスティーナ・リッチやドリュー・バリモアまたは深田恭子?系のプチデブな女の子が好きな人は楽しめるかな。頻繁に出てくるのはリンカーン、分厚い生肉(笑!)、カーネル・サンダース、熊ん蜂、大肉天(と書かれた漢字、意味不明)。影響受けた物として巻末に人形、肉解体工場、肉の絵葉書、が載ってるのも楽しい。スケッチ付き。

014

2009.6.27Sat13:09

Mark Ryden 『ANIMA MUNDI』
(プレスポップギャラリー)2002年発売