CONTEMPORARY  |  STUDIOVOICE

 

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MUSIC

MISATO MOCHIZUKI『Si bleu, si calme』

フランスで活動する作曲家・望月京の作品が他の現代音楽と異なっているのは、その「流れ」であり、「間」である。非常に都会的で、緻密なサウンドでありながらも、そこには感覚的な流れのようなものが聴かれ、さらに、「間」の取り方が繊細であり、単に音を埋めていくという作業からは生み出しえない音楽となっている。一見、極端に知的かつ難解なヨーロッパ現代音楽のようにも聴こえるかもしれないし、確かにそうした面もあるだろう。しかし、そこには有機的、感覚的、そしていわゆる東洋的な神秘が潜んでいるのである。

 
 

2009.5.19Tue22:25

masaki.o

052

ポスト・ミニマリマリストを自認しスティーブ・ライヒからの影響を素直に認めるドレッシャー、82年のアルバムに2曲足してのCD化。すーっと入っては消えてゆく美しいテープ・ループで始まり、アンビエントっぽいなと思っているとエレギギターが《パラピレポラポレ》と多重モアレ状にかぶさってくる「Liquid and Stellar Music」。お薦めはエレキ・ギターとドラムとテープループを使った「Destiny」で16ビ-ト・ミニマル・テクノみたいだ。ギターがマニュエル・ゲッチングっぽい。最後の「This Same Temple」はライヒの「Piano Phase」か「Six Pianos」直球(笑)。二台のピアノで奏されるズレと叙情がグー。

 
 

harukichi

051

Paul Dresher 『This Same Temple』
(Lovely Music)1996年発売

2009.5.12Tue21:11

050

 
 

2009.5.12Tue21:09

harukichi

Peteris Vasks『Distant Light & Voices』
(ワーナー)1999年発売

ラトヴィアの作曲家ペーテリス・ヴァスクス(b.1946)。キターーッ。曇天のように広がる弦楽オーケストラの中をかすれて息も絶え絶えなヴァイオリンが少しずつ高音で歌い始める。徐々にヒステリックに弦を切れよとばかりに擦りまくるギドン・クレメールも凄いがそこにぶつかってくる弦楽オケも凄い。泣きながら体当たり、みたいな。民衆ダンス旋律が間断的に入り音響はますます混沌とし遂には悲痛ノイズ音塊へとブッ込む。ゲンダイオンガクの弱々しいカオスとは一線を画す、真にアグレッシブで魂のこもったクラッシュ音響、その後に現れるかぼそい悲哀旋律がまた良い。ギヤ・カンチェリが好きな人は是非。

94年独WERGOレーベルから出たCDの日本初発売。コラージュです。パッチワークです。ツギハギです。足音、口笛、発砲、クラクション,ドアのきしみ、能に太鼓に声明、蒸気機関車、ノイズ、赤ん坊のイヤ~な泣き声二重奏、歯磨き、トイレ、チープ機械、正体不明の何か、色んな音が入ってます。想像力のある人は世界旅行と時間旅行、果ては形而上(?)旅行も楽しめるかも。架空人生の走馬灯振り返りCDって所か。50年もずーと同じ事をやってる態度に敬服。

PIERRE HENRY『都市-パリ・メトロポリス』
(キング)2000年発売

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harukichi

2009.5.12Tue21:07

 
 

レバノン出身の作曲家兼ウード奏者ラビ・ハブ・ハリル(b.1957)が弦楽四重奏+ウード+チューバ+太鼓用に作曲したアルバム。弦楽はマイケル・ナイマンや久石譲とも共演したクロノス・カルテットが担当。西洋楽器とアラブ楽器が違和感無く融合して、冒頭からエキゾな中近東メロディによる変拍子ユニゾンを次々と繰り出す。カッコエー。和音で展開するのでは無く、前に前に音を足して伸ばしていく感じがインド・アジア方面にも通ずる。平均10分弱と曲は長めで、ウードソロやチューバソロといった即興要素も取り入れており、速くてアグレッシブな曲も良いが、スローなテンポに乗るゆったりしたウードを聴いてると宮廷の玉座に座る石油王になった気になれる。

Rabin Abou-Khalil『Arabian Waltz』
(enja)1996年発売

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harukichi

2009.5.12Tue21:03

 
 
 
 

2009.5.12Tue21:01

harukichi

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Stephen Scott『Minerva's web / The Tears of Niobe』
(New Albion)1990年発売

遠くから静かに流れてくる細い長音がゆっくりと反響しながら一本一本重なり共鳴し合う。多層にノイジーになってくると、音は何処までも伸びる蛇腹を持ったアコーディオンを想起させる。ギシギシ擦る音がリズムになり、低音ドローンが忍び寄り、チェンバロみたいなチャンチャンはじくメロディが入ったり出たりしていく。タイトル二曲とも25分を超える長大な曲だが、ただのドローンではなく構成感がある。ピアノ一台を十人(前後)が内部演奏することによってこの多層反響音楽を作り出している事に驚くでしょう。

ワハハハ、スゲー。ギクシャクしたリズムで変拍子ユニゾン。お前はプログレか(笑)。現代音楽ミニマル界のホープ、スティーブ・マートランドが自分のバンドを率いて録音。ルイス・アンドリーセン直系の縦に縦に入るリフ、べた塗りのようなホーンが炸裂。細かいメロディが大音量で次々と流れ出る。時にケルティックな泣きのヴァイオリンが出たり、低音サックスがバスドラ連射とユニゾったりもうバカ(笑)。スピリチュアライズドとコラボッた「Terminal」は宇宙サイケなファンクギター弾きっぱなし&ミニマル・サックス循環吹きでヤバッ!踊れっ!

Steve Martland『Horses of Instruction』
(Black Box)2001年発売

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harukichi

2009.5.12Tue20:58

 
 

Sreve Reich『Three Tails』
(ワーナー)2003年発売

 
 

2009.5.12Tue20:56

harukichi

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四角四面の鋭いパルス・メロディが右へ左へ飛びながら派生拡大してゆ く。通奏低音のように叩き続けるマリンバ・パルスをバックに、弦楽器が短く分断されたインタヴュー・サンプリングをユニゾンでなぞる。中世風なコーラスが ズレながら輪唱する。ライヒの歴史がすべてこの一枚(DVD付くから二枚だけど)に集約されている。しかも今までで一番ノイジーかつアグレッシブ。サンプリングに曲を合わせていた『The Cave』とは逆に、曲にサンプリングを合わせたので流れは一層滑らかに、ヴァイオリンは時に叙情的に、サンプリングの連射はユーモラスになった。60分一気に聴かせます! DVDにはCDに無い序曲がついた完全映像版。記録映像やインタヴュー映像から登場人物だけを切り抜き別の背景にコラージュ的に重ねるがこれがショボイ。最終的にカットになったパートやアンサンブル・モデルン の映像などアウトテイク集も入っている。