△ : どこへ  |  nogisumiko

 


:
どこへ

Illustration | nogisumiko

photo|nogisumiko

photo|nogisumiko

「自転車」には個人的な思い入れがあるとおもっています 漕がなければ倒れてしまう たったふたつの輪
どこまでも行ける気がする爽快感
その機能を果たさなくなった自転車を目の前に「何処へ行きたかったのか」「何処へ行くのか」の問いかけをしてみました
あなたに わたしに


:
どこへ

text|nogisumiko

photo|nogisumiko

それと。。。
              その期間中(7月19・20日)
             インスタレーションの中で行った
    アートパフォーマンス『ひつじのさんぽ』の記録です

2008年7月5日〜27日に
創造空間9001[旧桜木町駅舎]にて 放置自転車84台を使った
のぎすみこ個展『どこへ』の インスタレーション作品

photo | matron

text|nogisumiko

text|nogisumiko

text|nogisumiko

きっかけ

天気の良い日に 横浜のとある場所に腰掛けて
ぼんやりとたばこを吸っていたら
ひさしぶりの友達に 声を掛けられた
しばらくおしゃべり
会話の途中で
「桜木町の元駅舎で展覧会しない?」と言われる
場所はぼんやりと知っていた
ぼんやりと広いことを思い出していた
目の前に放置自転車があったので
「自転車100台用意してもらえるなら やろうかな」
わたしはそう答えた
その時は たいしたプランなどなかった
ただ だだっぴろいスペースを埋めるには
そのくらいのボリュームがあった方がいい
、、そんなことくらいしか 頭になかった

笑顔で別れた数日後
話しはトントンと運ばれて
わたしは簡単な企画書を持って 打ち合わせに出掛けた
思いのほか 出した企画が好印象で
雰囲気も明るく協力的なので
本腰をいれることにした
自転車の確保が出来るのか
その時点では まだまったくわからなかった
言い出したのはわたしだ
「ほんの数台しか集まらなかったら、、」と
違う構想も練らなければならなかった

photo|nogisumiko

ねっしん

photo | m.takemoto

text|nogisumiko

放置自転車は 勝手にどうにか出来るものじゃなく
数ヶ月間引き取り手が現れない場合
その街や市の持ち物として 処分できることになっている
もちろん 管理の仕方は土地によって違うらしいが
基本的に利益を上げてはいけないので 殆どは廃棄処分になる
殆どというのは 何台かは街のためにリサイクル自転車として
安価で買い取られて メンテナンスされて
その数台が レンタサイクルとして再利用されるだけだ
買い付け専用の業者と それ専用の敷地がある
なかなか市がOKを出してくれないので
そこにも押し掛けたが ほんの数台しか見込みが無かった
リサイクル自転車を運営しているおじさんは
とても親切にしてくれたのだけど
10台くらい確保できたところで どうしたらよいのかと
チラシのデザインは もうすでに出来ていただけに
スタッフ共々 頭を抱えた
あとは自転車が確保できればいいだけだ
肝心なものがなければ この企画はおじゃんか、、と
ジリジリとしていたが 情報集めに全員が団結
イベントスペース事務局の人が熱心に動いてくれたお陰で
「貸し出しと言うことで」と
国土交通省の頭を立てに振らせた すばらしい
「貸し出し」で良い そうじゃないとこまる
自転車100台もらっても
後どうしたらいいかわからないじゃないか
やっと気持も落ち着いた
チラシの印刷も間に合いそうだ ほっと胸を撫で下ろした

photo | m.takemoto

自転車を移動させる日取りも決まって
いざ! 確保できた84台の自転車に向う
レンタカーに山盛り4往復
4人掛かりで展覧会場に運び込む
設営の日までは JRの敷地内でひとりで作業
1週間
ひたすらネジをまわす
ひたすらワイヤーを切る
ひたすらタイヤをはずす
ひたすらチェーンを切断する
ひたすら、、、
ママチャリもプジョーもブリジストンもジープも
ばらばらばらばら どれも関係なく
パーツごとに分けて行く
わかったのは
高そうな自転車ほど ばらすのがたいへんと言うこと

動き続けるじぶん
動かなくなった自転車
クーラーの無い倉庫で
黙々とばらし続けるじぶんが 機械になったように感じる
汗だくになる ハイになる

text|nogisumiko

いざ

使われなかった大量のスタンド

他にも使われなかった部品を山に積んでいく

text|nogisumiko

text|nogisumiko

photo|nogisumiko

photo|nogisumiko

使われなかった大量のチェーン

photo|nogisumiko

photo|nogisumiko

text|nogisumiko

text|nogisumiko

機能しない自販機
「1000円が使えます」の文字
新千円札のことだろうか、、、

ほこりを被ったエスカレーター
この場所で黙々と自転車をばらしていった

あつい

photo | m.takemoto

text|nogisumiko

自転車ばらし1ヶ月
設営5日間
ぎりぎり
時間配分を間違えると出来上がらない
設営には イベントスペースの男性スタッフ2人女性1人
彼等は他の仕事もあるので
べったりと時間を裂いてもらうわけにもいかなかったが
設営に慣れているので さすがに手際が良かった
心強かった
時間があるときは 自転車ばらしも手伝ってくれた

わたしの落書きみたいな説明図で
せっせせっせと組み立てる

連日 夜遅くまで掛かった
みんな嫌な顔もせずに
「どうなるのか はやくみたいですから!」と
笑顔で現場を動き回ってくれた

出来上がった
みんなで喜ぶ
充足感