Existence of father ..父子の絆..  |  whitesue

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Existence of father ..父子の絆..

私は小学生の頃…自殺を考えていた
本当に死にたいと思っていた
子供の犠牲にはならない・・と再婚を選んだ父
父は再婚で子供に大きな犠牲を作った
男は同じ失敗を繰り返せないという父の言葉に
犠牲を払った事を認識していたと想像する
父は…事あるごとに意識的に私と関わった
父との接触の中で自信を持ち人格が形成された
公序良俗に基づく正義感も
友人を温かく支援する事も
父から学んだ…大きな贈り物である
父の眼が…小学生の自殺を思い留まらせた
娘の自律を見届けて…53歳で逝った
こんな父親がいたと残す事で父への感謝を表し
亡き父に…愛を込めて捧げる

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序章 父からの贈り物

第一章 愛するという事

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。。。子の心 深き愛情一つにて            大きくもなり小さくもなり。。。


元気を持った一つの心が崩れ落ち
細やかな気付きの中で
新しい息吹を吹き込まれて
大きく逞しく成長した

幼き頃の記憶をたどり
     真摯な父の力を思い起こす

お嫁ちゃんのお母様から戴いた花で…2009年
・・・新年のPC壁紙・・・

父の眼

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カサブランカ

 ☆幸恵っ! あの星見てみ!
屋上に寝そべっていた父が、急に騒いだ
父の指差す夜空の彼方を探すが解らない
そして父は…あっ消えたと呟き
独り言のように超新星の話をした
 ☆なぁ〜幸恵、人間も星と一緒や。広い世界で一所懸命頑張っても、誰も気付かへん。それでもみんな星みたいに一生懸命に光るんや。
と話しを続けた。
小学3年生の夏の夜
私は悲しいことをいっぱい抱えていた
小さな心に、逃げ出して…死んじまいたい程
悲しいことを抱えて…屋上の手すりを超えて道路を見下ろし幾度か死のうと考えて座った
私はどんな眼をして大人を見ていたのだろう
そして父は娘に何を教えようとしたのだろう

人間はみな裸で生まれ来て
最後に薄衣を纏い野火へと送られる
誰もが等しくこの道を歩む
誕生した幼な子たちは
取り巻く環境の中で様々な体験を通し
自ら学び育ちゆく
父母を介した幼い目で社会を見る
子供たちの価値観は
周りに介在する大人に教えられるのではなく
与えられた機会の中で育つのである
我々大人は自分自身がそうして育った事を
遠い記憶の中に認識する
どのように育まれ巣立ち社会に羽ばたいたのか
子供時代の体験を通し学び得た人間のあり方を
また・・・次世代に伝える

カサブランカの花心

人間のあり方

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昭和貳拾五年参月六日・午前五時五十五分生
京都市中京区の自宅が私の出生地
『幸惠誕生祝の控』
懐かしい父の自筆の覚書
紙縒りで綴じた古びた半紙の墨字に
安定した環境に望まれて誕生した事を忍ばせる
神戸新聞社 壹阡円也
京都新聞里内様、馬場様 壹阡円也
東福寺中村様 玉子五個
同業組合様 壹百五拾圓也
当時の貨幣価値を想像させる中に
後に母となる人の名が
四人連名のお祝い品の上に旧姓で記される
私の確たる存在感を示す貴重な父の記録だ
この頃はまだ…私の生家は平和だった

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カサブランカ

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玉子五個

いつだったか…父から聞いた事がある
八年間の戦場から帰還し
祖父の所へ挨拶に行った・・・と
事業をしていた祖父は
 ☆お前は明日からどうして生きるのか☆
冷徹に響く実父の問いに返す言葉が無く
取り敢えず親戚を頼り…宿を求めて
改めて祖父に接見し60万円を借入して起業
昭和二十五年十月に株式会社にした

幼な子の世話に明け暮れた生母と
女学校を出て有能な美しい女性の格差は大きく
父はたちまち恋に落ちた
自分の人生を子供の犠牲にしたくはない…と
父は・・・離婚を選んだ

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父の恋

白い山茶花

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父は一人の大人として
自らの結婚と離婚で犠牲を作った事を
感じ取った

自分に何ができるか
じっくり考えたと思われる

様々な局面で…閉塞的になり無口になる娘を
支え救い上げた

人格形成

見返りを求めない一方通行の愛の中で
子供の心は育つ

父性

白い山茶花

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白い山茶花

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幼い頃の環境が変わったせいか
私は小児喘息になった
咳が出たらいつも息がヒューヒューと鳴って
息が出来ないくらい苦しそうで
お爺ちゃんに抱っこされて病院に走る
ヒューヒューと苦しむ私に…注射をする先生が
『この子は10歳まで生きられないやろ』
と言ったらしい
私はずいぶん小さかったけれど
お爺ちゃんに抱っこされ保育園の庭を通って
お医者さんに行った事を覚えている
私の生母は…きっと私の喘息を知らないだろう
姉を泣かせたやんちゃな娘が
病気で苦しんでいるとは想像しなかったと思う
私は母が二人いるとは知らなかった

小児喘息

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