Jewels in the sun  |  houseadamas

hirotaka

Introduction:

私がパリに住んだ目的は、あってなかった様なものであったかも知れません。

というのも、「パリに住む事」自体が目的であったから。

結局のところ、割と短い2年の歳月は8つの四季をたどる旅となりましたが、宝飾のプロとしての素地を養う事になったと自負しています。

帰国と同時に某宝飾商品企画室に就任する事になり、その後独立。ジュエリーを愛する者として、宝飾の魅力を伝えれたらと思います。

この画像はMedusaと言うリング。6匹のしなやかな蛇が連なって、とても大胆でエレガント。

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"Medusa" ring, K18 Gold

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「Lottoの塗りつぶし方が解らないのよ、」

と面倒くさそうにCaféのカウンターに頬杖をついたその女の、その通る声に思わず振り向いたのは1997年の夏。フランスはパリでした。

その声の主は、特定の話し相手がいるのでもなく、Café中の空気に言い放ったかのようでしたが、

私の目は、彼女の鉛筆をもてあそぶ、指の付け根にありました。

女神も嫉妬するかと思われる様な美しい光をまとった大振りな指輪は、彼女が人生に愛されているのを物語っているようでした。

パリ生活第1日目です。

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"Naja" ring, K18 Gold + Diamonds

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Thorns K18 Beige Gold Ring

私がジュエリーをデザインし、インスピレーションが実際のジュエリーになった時に、今までは、プロのフォトグラファーに密室のスタジオで広告写真を撮ってもらってきました。

何台もの照明器具と、様々なフィルター等を駆使して、何時間もかけてきました。

でも、朝10時から12時までの自然の日光を私自身(ド素人)があやつり、水のベール(水の入った瓶)のみをつかって、丹精こめて作ってきたジュエリーの写真を試行錯誤で撮る事にしました。

普通のデジカメと、日光のみを信じたら、刻一刻と変わる光の表情が、ジュエリーのもつ力を最大限に見せてくれて、太陽が一番の味方なんだと気づきました。 
ジュエリーの魅力は光そのものなんだな〜

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ジュエリーを作る者として、そのジュエリーの魅力をちゃんと伝える様に撮影する為にはとても気を使います。

ダイヤモンドのラウンドブリリアントカットには58面ありますが、撮影でそれを全反射させようとしたら、プロのフォトグラファーは、1つ1つの狙った面にそれぞれ別々のライトを当てて、足りないところは鏡で補い、光が強すぎるところはフィルターをかけて。。。。気が遠くなります。。。。

でも!その密室に1つ欠けていた事、それが太陽でした。

この本の写真は全て朝の自然の光で撮りました。
ほとんどの商品写真が人工のライトを浴びる中で、是非とも、生のジュエリーの素晴らしさ、躍動感、刻々と変わる表情を楽しんで下さい。

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Green Papayas in the sun @ Thailand

荒めの磨きを施したこのTecchio=テッキオ。イタリア語で頭蓋骨の事。中世の貴族趣味から発されるこのモチーフは、ちょっとおどけて人生を哲学しています。涙にダイヤをちりばめて。

ジュエリーが人に与える印象は計り知れませんが、それは、その人の持つ「物語」を雄弁に語るからだと思います。

生活の中ににはあらゆるシーンがありますが、その時その時で違った印象を放ちながらも、中心の「物語」から発する光は変わらないものです。

印象派の画家が対象物を描く代わりに、その光そのものを題材にしたように、ジュエリーとはその人の身体の動き、心の動きで刻々と変わる。
そう思うのです。

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Tecchio K18 gold + a Diamond tear drop

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"Mallosol" ring, K18 yellow gold + Diamonds (a set of 2 rings)

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キャビアはチョウザメの卵ですね。

そのチョウザメのイメージ。

キャビアの良い塩加減を作り出すのは相当な企業秘密とか。

ロシア語で、キャビアの良い塩加減の意味で、マロッソル。まろやかな塩〜、と言う感じが何故か伝わってくるような不思議な響きですね。

カスピ海や、黒海、なんだか遠い国の幻想的な湖に、
古代から姿を変えないでいる、そんな存在って不思議ですね。

"Les Ailles" pendant, Silver + Diamonds

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思ったより早く動いて行く日溜まりの中で、日時計の様な面持ちで。

ダイヤモンドを散りばめたクールな印象で影をくっきりと落としています。

我ながらビックリな(場数踏んだけど、素人だし)ダイヤの輝きをとらえたショット。スタジオでこう撮ろうとしたら、相当ややこしい。
この大きめなダイヤモンドはTop Top Light Brownと言うカラーです。シャンパンカラーとも言われる、薄〜いカラーが魅力です。

陰影のモザイクが奇麗に、冬の窓から入る朝10時の光の中で輝きました。

ダイヤモンドのプロは、朝10時の自然光の下、もしくはそれと同等の特別な人工灯の下で石のクオリティーの鑑定をしますが、これが正に、その自然光。

力強さとエレガンスが融合して、「冴えた優しさ」を具現している様です。右が「サモトラケのニケ」、左は、「イカルス」とギリシャ神話から命名。

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Icarus, Nike Samotorake K18 Gold+diamonds

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