tan bun  |  pomubomu

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   うさぎと月
あるところに、うさぎがいた。
うさぎは、月が好きだった。
うさぎは、毎晩、池のほとりにお供え物をした。
うさぎは、毎晩、月に呼びかけ続けた。
うさぎは、月が欠けていくことに、心を痛めた。
うさぎは、何も食べなくなった。
うさぎは、月が満ちていくことに、心を癒された。

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-1

ある晩、うさぎは、足元を見た。

水面には、月が写っていた。

うさぎは、うれしかった。

うさぎは、水面に飛び込んだ。

うさぎは、溺れた。

うさぎは、抵抗をしなかった。

月の写る水面に、ゆっくりと沈んでいった。

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-2

   思いやりと彼女
さる国で、新しい兵器が開発された。
ある国に、一人の女の子がいた。
彼女は、すべてを許した。
彼女に許された人は、他の人を許していく。
思いやりは、伝染する。
ある国は、優しさに包まれた。
すべての国は、彼女に賛同した。
世界は、幸せに包まれた。

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-3

世界は、滅亡した。

人々は、忘れていた。

彼女が、兵器だということに。

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  • 著者:pomubomu
作 成 日:2008 年 12月 20日
発   行:pomubomu
BSBN 1-01-00021855
ブックフォーマット:#262

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