失業日記  |  lilbones

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失業日記

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失業日記

4年半勤めた会社を辞め、去年の10月に転職をした。そのわずか10ヶ月後に突然の解雇。
大して落ち込むこともなく、むしろすっきりとした気分なんだけどいいんだろうか・・・

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8月8日
金曜の午後、上司に呼ばれたら首だと思え

アメリカではそんなことわざがあるとかないとか。正直、聞いたことがないけど、その金曜日は朝から「首になるなら今日だな。金曜日だし」と思っていた。ところが同僚とランチを食べる頃にはそんなことすっかり忘れていて、午後3時半頃に上司に呼ばれてようやく思い出した。そして案の定、気まずそうに「残念だけど・・・」と切り出す上司。というか上司なのか、この人は。一応デザインディレクターだけど、私が担当していたレディースラインにはほぼ関わっていなかった彼。でも彼が私に解雇通告をするということは上司なんだろうな。どうでもいいけど。

同じ週の火曜日、一緒にレディースのデザイナーをしていた同僚が急に首になった。火曜日だっただけに、みんな驚いた。それ以来、レディースラインそのものの存続の危機が噂され関わっている人間は一斉に不安を抱いた。「次は私たちだ。」まぁ、そう思うのも無理ない。私は水曜日以来毎日「なんのためにデザインしてるんだろう」とやる気のでないまま、でも一応まだ首になったわけではないし仕事をしないわけにもいかないので、一人で黙々と仕事をした。

そして金曜日。後で聞いたら、計9人解雇されたらしい。その晩はみんな(女子ばかり)で飲みに行った。当たり前だ。

でも日曜日が終わっても休みは続くことを考えると、なんだか気が楽だ。今日中に洗濯と掃除を済ませて、とか考えなくてもいい。金曜の夜は飲み過ぎて帰宅できなかったため同僚(元)の家に泊めてもらった。とは言ってもそんなに飲めるわけではないので、二日酔いも大したことない。家に帰ってからWとその友達と3人でダイナーへ。Roadside Huevos とかいう、ベイクドポテトの上に目玉焼きとサルサが乗ってるやつを頼む。おいしい。
午後は「Body Worlds 3」を見に行く。人体標本のやつ。オリンピックに合わせて、筋肉や内蔵がむき出しの人体が槍投げのポーズを取ったりしている。どうでもいいけど、おへそと乳首の皮膚だけ残すのは止めてくれないか。

日曜日は月に一度のローズボウルのフリマ。ベージュのヒールとビンテージのハンカチ数枚、赤い革がいい感じのバッグを買う。バッグは買うのを悩んでいると、売っていた女の子が「これ買えばいいカルマ!」と言う。ちょっと前に現われた客がこのバッグを買おうとしてすごく失礼だったらしい。よくわからないけど、いいカルマを手に入れるに越したことはない、と思って12ドルを払った。それに大きさもちょうどよくて使いやすい。果たしていいカルマは訪れるだろうか。

フリマ散策中に母から電話。前日、電話をしたがつながらなかったのでメールで知らせてあった。心配性の母の反応を心配したけど、なんかこっちもあっさりしてる。「みーちゃんならなんとかなる」。みんなに言われる。

8月9日、10日
週末はいつもどおり

金曜日、首になった会社を去りながら「good bye, long commute!」とつぶやいた。なにせ片道50マイル、約1時間の道のりを毎日往復していたのだ。それをもうしなくて済む。のはずだったけど、月曜日は歯医者の予約を入れてしまっていた。会社でやっと保険がおりて、会社の近くの歯医者をわざわざ探して行って、今回は2度目の治療だった。しかも仕事に差し障りのないように、お昼時に予約をしたのに。面倒くさいけど、しょうがないので通い慣れた道のりを、普段よりは遅めの時間に行く。途中で首になっていない元同僚に電話をして、ランチに誘った。歯医者のあと、元同僚数名と待ち合わせた魚グリルのお店へ。男ばかり4人現れる。元々女子が少なかったけど、これで本当に男だらけの会社になったな。
こっちは清々してるのに、元同僚はなんだか心配そう。ぎこちない感じで「で、元気?」と聞いてくる。ランチを食べながら、いつも通り会社の愚痴を言い合っている。うーん、むしろ会社に残った彼らがかわいそう、と負け惜しみではなく純粋にそう思ってしまった。

帰宅してサイト作りに専念。以前から作り直そうとしていたのでこれを機にしっかり完成させようと思う。

8月11日
そして月曜日。

大体お店とは平日の昼間、みんながちょうど働いてる時間に開いている。会社が終わった頃には店も閉め始めていて、急がないと、もしくは週末まで待たないと用事を済ますことができない。なので失業してまずやろうと思ったことは、フィルムを出しに行くことだった。家から車で15分くらいのところに写真屋さんがあって、そこに出すといつも写真がきれいに戻ってくる。フィルム自体の現像が上手いのだ。スーパーで安く1時間で現像するよりよっぽど良い。フィルムが3本たまっていたので、さっそく出しに行く。帰りにWhole Foodsに寄ってコーヒーフィルターと液体石鹸を買う。

一日中家にいると猫と過ごす時間も増える。ちょうど猫の行動学について本を読んでいるので、観察しつつ遊んでやる。異常に臆病なジジが少しはリラックスできるように。

失業して時間ができたので、やろうと思ったことはいくつもある。そのうちのもうひとつがファイナルファンタジーXIIをいいかげんにクリアすること。2年前くらいに始めて一度全部データが消えて、それでもしつこくやり直していたのにここ数ヶ月は放棄していた。でもやっぱり気になる。しばらくぶりにゲームを立ち上げると懐かしいテーマ曲が流れてくる。でも全然覚えていない。何をしてたんだっけ。えーと・・・とりあえず2人のレベルを上げてハントをひとつやって、終了。ちょっとがっかり。

8月12日
今日はなにしよう。

会社に通わなくなったからといって昼まで寝てダラダラしたくないので、ここのところ9時頃には起きていたけど、今日は気づいたら10時。ま、いっか。でも仕事の夢を見る。しかも、夢の中でその夢のことを元同僚に話している。もういいってば。
起きたのが遅かったので特に何もしないままお昼。冷蔵庫にあったナスと豆腐をフライパンで焼いて、ネギ、生姜、だし醤油をかけて食べる。家にあるもので昼を済ますことができるので経済的だ。

昨日現像に出した写真を取りに行く。見てみるとだいぶ前の写真もある。これいつ?去年?すっかり忘れてた。あとはメイク落としを買ったりして帰宅。家にいて気づいたけど、3時〜4時頃はどうにも眠くなる。猫も大体寝てる時間だ。猫が寝ているのを見ると眠くなる。5時半頃までがんばったけど、学校から帰宅したWもうつらうつらしているので諦めて私も昼寝。30分ほどのパワーナップ。予想以上にぐっすり寝た。

今日メールを見たらクビになる前に勤めていた会社の元同僚から一通届いていた。その子は私がまだいた頃にすでに会社を辞めていて、今はバンド活動をしている。クビになったことを聞いた、というのと、今晩ライブがあるから来ない?という誘いだった。どうせ朝起きる心配もしなくていいし、久しぶりだったのでWと出かけた。バンドの練習とツアー以外はバイトもしていない彼女は「暇なら遊ぼうよ」と言う。「普段なにやってるの?」と聞くと、「お皿洗ったり、ご飯作ったり。まぁ主婦だね」。
そうか、そんなもんか。

8月13日
失業後初めて10時まで寝た。

8月14日
木曜日はファーマーズマーケット

それだけは何日も前から決めていた。ファーマーズマーケットは農家が直接野菜などを売りにくる市場。週末にあることが多く、町によって規模が違う。ハリウッドのは大きくて有名だけどまだ行ったことがない。一番地元のやつは木曜日の午後4時から8時までで、以前一度だけ行ったものの会社があってそれっきりだった。今日7時頃にのんびり出かけて行ったらなんかのお祭りみたいに人がいっぱい。いつもこんなに来てるのかな。おいしそうな苺や桃類を見てると「Japanese Kyoho grape」と書いてある。サンプルを味見すると、確かに巨峰!かなり久しぶりの味。思わず購入。4ドルで安いんじゃないかな。日本のよりは小粒だけどあまくておいしい。

ここのマーケットのいいところは野菜やくだもの以外に屋台が充実していることで、タコスやクレープ、インド料理、ペルー料理、バーベキュー等、迷ってしまう。時間があまりなかったので早そうだったタコスを頼む。チキンとビーフ。来週は何食べようかな。

マーケット後はそのまま映画館へ。昨日から公開の「Tropic Thunder」が目当て。Ben Stiller、Robert Downey Jr.、Jack Black主演のコメディで、トムクルーズも実は出演していたり、と見所が満載だった。でもこういう映画って日本では公開されないのかな。どうなんだろう。わかりにくいっちゃわかりにくいかも。

さて、週末はDana Point。楽しみ。

8月15、16、17日
海辺の週末

この週末はダナ・ポイントに行く、というのは4月から決まっていた。Wからの誕生日プレゼント。本来なら(?)金曜日会社の後そのまま向かうところを、失業したおかげで昼間から出かけることが出来た。自宅から南下すること1時間ちょっとの海沿いの町だ。ついてすぐにカヤックレンタルへ向かう。25ドルで2人用のを借りてのんびり、一生懸命に漕ぐ。肩と胸と腕が疲れるけど気持ちいい。ここのところジムに通っていたお陰で思ったほど筋肉痛にはならなかった。夜はひとつ北の町、ラグナ・ビーチへでお寿司。板前さんがちゃんと日本人で、しかもいちいちリアクションが大きくて笑った。

翌日土曜日はさらに南下してビールフェスティバルへ。Stone Breweryというローカルのビールが主催している12周年記念フェス。ビールファンが方々から集っていて、みんなStoneのTシャツや他の醸造所のTシャツ等を着ている。私はdesignated driverとしてビールは一口ずつの味見しかせず、でもWはちゃんと10種類試していた。来年は私も参戦してテイスティング用の記念グラスをもらいたい。

帰り道、ダナ・ポイントからほど近いSan Juan Capistranoのミッションに寄るも、時間が遅すぎて入れなかった。ちらっと覗いたら庭がかわいらしかった。これは次回!

日曜は朝からチェックアウトして早めに家路へ向かった。留守番していた猫はやっぱり意外と平然としていた。