karasunouta  |  move00

こんなに近くにいるのに
おたがいを
みてみないふり

道端でばったり会っても
なんとなく
居心地悪そうに

そうして
カラスたちは
今日もつぶやくのです

真っ赤な朝日を輪郭がなくなるまで見届けた。
ごみはごみじゃなくて。
まぶしくて目がくらみそうになりながら
そこに舞い降りる。
いやに高圧的な朝日の存在感が薄れてくる頃
人間は起きてくるらしい。
人間とは遠からず近からずの関係。

この街のことならなんでも知ってるよ。
どこで何が起きて
何が起ころうとしてるのか。

目が見えないあの人は
僕の羽よりもっと暗い闇にいる。
それでも日のあたたかさを感じたくて
毎日窓を開けるのさ。

親のいないあの子は
思い出すことのない思い出を抱えてる。
それでも残された記憶をなつかしんで
明日を夢見るんだ。

鳩よけのキラキラしたのは嫌だけど
洗濯物のヒラヒラしたやつは結構好きだよ。

大事なものはちゃんと隠してある。
それは人間と一緒だろ?
どこに何をしまってるかは
絶対忘れたりしないんだ。
そこんとこは人間より賢いさ。

薄れていく本能の
そのぎりぎりでもかまわないから
どうか神様
僕を空っぽにしないでください。

渡り鳥のように
渡ってみたくなる。
ここじゃないどこかは
どんな風?



僕の目は色を感じないけれど
世界が万華鏡のように見える日が
早く来て欲しいと思う。

karasunouta
  • 著者:move00
  • イラスト:コマツ マユミ
  • 文:コマツ マユミ
作 成 日:2008 年 04月 30日
発   行:move00
BSBN 1-01-00013359
ブックフォーマット:#197