Review(書評)一覧

    とじない

品川明日香

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抑圧に対して意識的であり無意識

「たまゆら」が一番好きです。文章が音楽的、音楽ではなく詩には違いないのですが妙なグル―ヴが感じられ情景だけでなく匂いや動きなんかが生まれてくるようでした。
現実に直面して何もできないわたし、を描いているのかと思ったのですが、脱いだコートに寄った皺に「一瞬の真実」を見い出してしまうあたり。主人公は確かに意思を持っている、空の硝子コップにある空虚を認識することができる自我は持っている、というところにこの詩の意味が感じられました。
ゼロ年代の空気をやはり感じました。閉じ込められた主体性、あるいは閉じ込められてしまった主体性。それと葛藤している。
他に素晴らしいと思ったのは、女性独特の例えばメイクの描写とか、肉まんやおにぎりに過剰と言えるまでに生命力を感じ取ってしまうあたりです。

by asaba.k

2011.04.29 11:29

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